「逆流性食道炎」と言われたけど…症状がない場合はどうする?
最近は検診で胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)をお受けになる方が増えてきました。
担当医から「ほぼ何ともないですが、軽い逆流性食道炎がありますね」と言われたことはないでしょうか?
「逆流性食道炎と言われました。別に症状はないけど、どうしたらいいのでしょう?」 時折ご質問を受けます。

先に結論を申し上げますと、「治療」が必要となるケースは、大きく2つあります。
①症状がある方=胃食道逆流症の方
②中程度〜重症の逆流性食道炎の方

重症の逆流性食道炎の写真
胃食道逆流症と逆流性食道炎は違うの?
胃食道逆流症とは,胃酸などの逆流により症状を感じている状態です。
胸やけ、酸っぱいつゆが上がる(=呑酸)、胸のつかえ感、のどの違和感、飲み込みにくさ、長く続く咳といった多彩な症状が起こります。
胃カメラ検査では、ほとんどの方で所見がありませんが、辛い症状に対して、その方の病態に応じた内服治療を行います。
一方、逆流性食道炎とは、内視鏡で観察して、実際に粘膜が傷んだ状態(びらん、潰瘍など)をいいます。ごく軽度から重症まで様々ですが、重症度と症状はあまり関係がありません。軽症の方に治療は不要ですが、中程度〜重症の方は、出血などのリスクがあるため、症状がなくとも、治療の対象となります。

まとめ
胃食道逆流症と逆流性食道炎ともにお薬でよくなることが多いですが、症状の原因がそれ以外の場合もあるため、まずは内視鏡検査で状態を確認させていただくことをお勧めします。

記載者:院長 堀川洋平