なぜ胃カメラが必要なのか?
ピロリ菌、正式には「ヘリコバクターピロリ」(=Helicobacter pylori)といいます。
ピロリ菌を除菌したのに、胃カメラは必要なのでしょうか?
胃がんは、大多数がピロリ菌の慢性感染の結果、十数年の経過を経て生じます。
感染初期〜数十年の経過まで、慢性胃炎の状態は様々で、時間が経つほど胃がんのリスクは上がるのです。
ですから、一口に『ピロリ菌を除菌した』と言っても、除菌をした時期によって胃がんのリスクは残り、除菌後数年から10年以上を経ても、胃がんが生じることがわかっています。
すなわち、ピロリ菌の除菌をしたことで、胃がんのリスクは減ったと言えますが、消えた訳ではないのです。

まとめ
上記から、ピロリ菌を除菌した後も、定期的な胃カメラをお勧めしています。
ただし、内視鏡検査を行う間隔については、胃粘膜の状況に応じて異なり、毎年の方もいれば、2年に一回の方もおられます。
胃カメラを施行した医師に、何年毎の検査が良いのか、尋ねてみましょう。
私達は8年間に診断したピロリ菌除菌後の胃がんについて詳しく検討し、どのような方に除菌後の胃がんができやすいのかを報告しました(Abe R, Uchikoshi S, Horikawa Y. et al. Cancers, 2024 Dec 13;16(24):4153.).内視鏡検査でリスクが高い方を見分けて、今後の検査方針をお知らせします。


記載者:院長 堀川洋平





