大腸ポリープとは?
大腸ポリープには、将来大腸がんになる可能性のあるポリープ、と大腸がんにはならないポリープ、があります。
がんにならないポリープは多くの場合、特に悪さをしないので、治療の必要はありません、言うなら「ほくろ」のような理解で良いでしょう。
それでは、大腸がんになる可能性のあるポリープとは何でしょうか?
現在がんになるポリープは二種類あるとされています。
①腺腫と②鋸歯状病変(SSL:sessile serrated lesion)です。
①腺腫とは?
腺腫は大腸内視鏡検査中に最も多く発見されるポリープで良性腫瘍です。
現段階では良性腫瘍でも、その一部から悪性細胞が生じ、将来大腸がんになると考えられています。大腸内視鏡検査を行い、腺腫を発見し切除することで、大腸がんの発生や死亡を減らすことができるとされています。
したがって、腺腫は「取るべき」ポリープと言えるでしょう。

②鋸歯状病変(SSL:sessile serrated lesion)とは?
近年、大腸がんの原因として注目されているポリープです。
SSLは見た目おとなしいポリープですが、遺伝子に異常があって、ある段階で大腸がんになると考えられています。SSLも「取るべき」ポリープです。
ただし、SSLには問題点があります。検診でよく行われる便潜血検査で陽性にならない事があります。ご家族に大腸がんの方がおられる場合は、一度大腸内視鏡検査を受けましょう。
また、腺腫に比べて、見つけるのが少し困難です。SSLを確実に拾い上げるのが、内視鏡医の使命と考えています。

ポリープは取るべき?取らなくていい?
「腺腫」や「SSL」などの病変は、がん化のリスクがあるため、早期に内視鏡で切除することが推奨されています。
さて、「取るべき」ポリープ、「取らない」ポリープ、どうやって区別するのでしょうか?
おおむね、大腸内視鏡検査をした際の、「見た目」で決定します。現在の内視鏡画像は、高精細/高画質(とてもきれい)で、私たち内視鏡医の強い味方です。
「見た目」での診断法について、学会から分類も出ています。
「取るべき?」「取らない?」きれいな画像でしっかり診断し、治療につなげています。
それでも判断に悩む時は、生検を行なって、顕微鏡で病理学的に判断しています。
まとめ
ポリープの一部には、将来的にがんへと進展する可能性のあるタイプが含まれます。
こうした病変を早期に見つけ、定期的な検査と適切な処置により、将来的なリスクを未然に防ぐことが可能です。
気になる症状がある方は、お早めに医師の診察をお受けください。